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ビジネス書・たま〜にノンフィクションの書評 

いま君に伝えたいお金の話  幻冬舎

 

・いま君に伝えたいお金の話   幻冬舎

著者:村上 世彰

 

今回はお金にまつわる本で「いま君に伝えたいお金の話」です。

 

これまでもこの「お金」をテーマとする書籍は数冊読んでいるが、まずどの書籍にも触れられているのはお金の機能の話。そして、日本人はお金に対していいイメージを持っていない。また、お金そのもの自体にはいいも悪いもないという話。捉え方にずれがあるだけで、人によってだいぶ見方は変わる。お金が汚いものだとか、お金に執着しすぎるのは良くないという風潮もあるのだろうが、生きていく上で当然必要であるから、誰しも真剣に向き合う必要がある。


本書はタイトルからも若干ニュアンスが感じ取れるように子供向け、若年層に向けられた内容で、かなり平易な文章で読みやすさはもちろん理解しやすい内容なので、比較的早く読める。とはいっても、大人でも考え直すいい機会にはなる。

 

物の値段でサンマの話が文中に出てくるが、私も子供の頃からこういった視点があればよかったとつくづく実感したところ。そういう教育を受けてきたからこそというのもあるとは思うが...著者は10歳かそこらですでに株式投資を実践していたという話しがあり、正直自分の周りでは聞いた事がない(笑)

 

また働き方についても言及されており、最近の論調でもある終身雇用の破綻や会社には属さない生き方も本当にこういう流れが加速していくんだということを強烈に感じている自分もいる。ただ若い世代と接する機会も多い私だが、今の二十歳前後の世代でも就活に悩み、一つの会社に属する意識が一部ではまだ根強いということも感じている。

 

最後にお金と向き合う覚悟という話もあります。
お金が凶器に変わる時というのは、私自身も痛い思いをしたことがある。本当に早い時期にこういった本に出会うべきだし、私ももっと早くお金に向き合う重要性を知っておきたかった。だが、痛い思いをしないとわからない人間もいる中で今となってはその当時私には必要なことだったと思っている。

 

著者は村上 世彰氏。「村上ファンド」の時のイメージが強い人が多いと思うが、人物像として個人的には本書を読んでイメージがだいぶ変わった。特に最後の章については、現在の本人の熱量というか、伝えたい想いが十分に感じられた。

 

自ら本書を手に取る若い世代はまだ少ないのかもしれない。

お金にまつわる辛い思いを極力避けるためにも、是非10代、20代には読んでほしい。

お金以外の事で辛い経験は当然する(笑)だからせめてお金絡みだけは避けるためにも。